エアレースのトップパイロットが新コンセプト「AIR RACE X」を発表
時間と空間を超える５次元モータースポーツ
2023年3月28日（火）、エアレースのトップパイロットであり、デビュー同期でもある室屋義秀（日本／2017年ワールドチャンピオン）、マット・ホール（オーストラリア／2019年ワールドチャンピオン）、ピート・マクロード（カナダ／2017年総合３位）の３選手が、新たなエアレース「AIR RACE X（エアレース・エックス）」構想の立ち上げを表明し、記者会見を行いました。
AIR RACE Xは、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップの開催形式を踏襲した「リアルラウンド」と、実際のフライトとデジタル技術を融合させた開催形式の「デジタルラウンド」の２つのレースフォーマットで構成され、この２つの開催形式を組み合わせることで、持続可能なシリーズ運営を目指す構想であることが明かされました。
※構想の詳細はこちらをご覧ください。
超高精細飛行データとAR技術を用いた新たな観戦イメージ
様々な世界情勢によって世界的にエアレースを復活させることが難しい状況が続く中、これまで培われたエアレースという素晴らしい航空文化・レガシーを絶やさず、次世代に繋いでいくという３人のパイロットたちの強い想いから、この構想が生まれました。
３名のパイロットは会見の中で、選手自らが大会を立ち上げた経緯や想いを語り、今回の発表を機に、大会を共に作り上げていく仲間集めをスタートする意向であることを表明。また、大会の主催団体や参戦チーム、レースフォーマット、AR技術を用いた新たな観戦方法等の詳細は、今年８月にアナウンス予定であることも明かしました。
■発起人３選手のコメント
室屋 義秀 選手（LEXUS PATHFINDER AIR RACING）
これまでのような“エアレース”を復活させるには、越えなければならない数多くの要素があります。しかしその一方で、今までは不可能だったことが、デジタル技術の進歩により可能になってきたことも多くあります。
そういったテクノロジーも駆使しながら、まず自分たちにできることから始めようと決意しました。”エアレース”の熱狂を知るファンからすると、物足りなさを感じる方もいるのではないかと思いますが、それも理解した上で、歩みを止めず、今できる事から着実に積み上げていきます。AIR RACE Xは一歩ずつ進化していきますので、応援していただきたいと思います。
マット・ホール 選手（Matt Hall Racing）
昨年は、レースが私の故郷で行われるはずだっただけに、極めて残念な思いでした。私はかつてトップガンパイロットであり、エアレースは我々の技術を示す手段だったので、また、ステップアップする機会があることを楽しみにしています。
もちろん、自分の機体をより速くするために改良も進めています。また、長期的な計画として、私たちのレガシーを受け継ぐ、次世代のエアレース・パイロットを育てていくことも考えています。すでに、私のもとには、エアレースのパイロットになるために訓練している女性パイロットもいます。私はまだ数年レースを続けるつもりですが、その後は、未来に向けてレースを引き継いでくれる新しいパイロットたちにバトンを渡すことになるでしょう。
私たちは、このシリーズをどのように改善できるか、一緒に考えてきました。その中でも私は、常にレースの安全性に焦点を当ててきました。若いパイロットたちがレースシリーズにもっと参加しやすくなるよう、どうすれば完全に安全なものになるか、今も考え、議論し、取り組んでいます。
ピート・マクロード 選手（Pete McLeod Racing）
エアレースが休止していた4年間は非常に長く、突然の事でしたので非常に残念なことでもありました。私が他の人を代表して言うのもなんですが、私たちは皆アスリートであり、競争相手です。互いに尊敬をもって競い合うことで、ベストを尽くしたいと思っています。それができないのは、残念なことでした。
また飛行機に乗る機会を得て、お互いに競い合うことは、私たちにとって本当に楽しみなことなのです。スポーツだけでなく、競争という要素もある。そして、この新しいレースでは、世界のさまざまな地域から競争することができ、エアレースの再開を妨げていた障壁を克服することができます。エキサイティングです！私はこの3人の中では一番若く、レースを続けることに強い情熱を持っていると思います。この先、複数年にわたってエアレースに挑戦することになると思いますし、そのスタートは早ければ早いほどいいと思っています。
私たちは皆、世界最高レベルの相手と競い合いたいと願っています。チャレンジャークラスも含め、過去のシリーズのパイロットたちに声をかけていくのが楽しみです。また、新しい才能のあるパイロットを発掘することで、ファンにとって最もエキサイティングで、我々にとっても最もチャレンジングな場所を手に入れることができるのです。
時間と空間を超えた５次元モータースポーツ「AIR RACE X（エアレース・エックス）」は、3次元を実際に飛行する「エアレース」に、最新のデジタル技術を活用した「新たな観戦スタイル」を組み合わせることにより、持続可能なシリーズ運営を目指します。モータースポーツの新たな可能性に挑戦する「AIR RACE X」構想の続報に、ご期待ください。
会見の模様はこちらからご覧いただけます
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