時空を駆け抜ける“超次元モータースポーツ「AIR RACE X 2024」は室屋義秀が渋谷デジタルラウンドを制覇!さらに初代シリーズチャンピオンの栄冠も獲得

最新技術を活用した空のモータースポーツ「AIR RACE X」2024年シリーズの最終戦(Race 3)の決勝トーナメントが、10月19日(土)に全世界に向けて配信され、世界6カ国から参戦した8名のパイロットの中で、室屋義秀が渋谷デジタルラウンドを制覇!さらに、年間ポイントを積み重ね、初代シリーズチャンピオンの栄冠も手にしました!

今大会は初のシリーズチャンピオンが誕生する歴史的なシーズン

©︎Hiroki Terabayashi/AIR RACE X

「AIR RACE X」とは、世界中から集まったトップパイロット8人が定められたレーストラックを飛び、速さと操縦の正確性を争う空のモータースポーツ。最先端の技術により、時速約400kmで飛ぶレース機の動きを誤差わずか3cmという精密さで記録した飛行データを使い、離れた場所や時差を飛び越えて競技が可能という、新世代の「超次元」スポーツエンターテインメントです。

初開催となった2023年の渋谷デジタルラウンドに続き、2年目となる2024年は、全3戦のシリーズで初の年間タイトルが争われました。5月にオンライン配信で開催されたリモートラウンドのRace 1では、オーストラリアから参戦のマット・ホール選手が優勝。2位に日本の室屋義秀選手、3位にスペインのフアン・ベラルデ選手が入りました。

東京・浅草を舞台に開催された9月のRace 2リモートラウンドでは、開幕戦で2位だった室屋選手が決勝でスーパーラップを記録し、南アフリカのパトリック・デビッドソン選手を破って今シーズン初勝利。年間ランキングでもマット・ホール選手を逆転して首位に立ちました。

渋谷の上空、直線距離700mを往復するコースレイアウト

AIR RACE X初開催の地、渋谷に凱旋したRace 3は、渋谷の街並みを舞台にレース機が飛び回るという、XR (AR/MR) の魅力を存分に楽しめるデジタルラウンド。2か所のパブリックビューイング会場、宮下公園と渋谷サクラステージを結ぶ距離700mあまりの線上に4つのゲートが並び、その間を往復するようにフライトしていきます。

予選でトップに立ったのは、年間ランキングでもトップを走る室屋選手。2位にマット・ホール選手、3位にパトリック・デビッドソン選手と、シリーズチャンピオン争いを繰り広げる上位3選手がランキング順に並びました。

決勝トーナメント初戦の準々決勝では、予選上位の3選手が順当に勝ち上がり、それに加えてフランスのミカ・ブラジョー選手が初の準決勝進出を果たしました。

単純に往復しているように見えて、トラック両端のターンで少しずつ差が生まれたり、ルールで規定された高度や範囲を逸脱すると課される「パイロンヒット」のペナルティがあったりと、実際の飛行中には目で確認できないパイロンをイメージして正確に飛ぶ難しさを感じさせるレースが続きます。それでも、予選上位の3名はノーミスでまとめるあたり、頭ひとつ抜け出た能力を見せつけてくれました。

室屋義秀、マット・ホールの同期ライバルによる激突

©︎Keisuke Kato/AIR RACE X

デビッドソン選手とホール選手、ブラジョー選手と室屋選手が対決した準決勝を勝ち抜き、決勝へ進出したのはホール選手と室屋選手。エアレース世界選手権デビューが同じという、同期のライバルが激突します。

迎えた決勝、室屋選手とホール選手は付かず離れずの大接戦を演じます。この様子にパブリックビューイング会場の宮下公園4階・芝生広場に集まり、スマートフォンで空間レイヤープラットフォーム「STYLY」を使ってXR (AR/MR) 観戦しているファンは大興奮。息詰まる熱戦をわずかの差で室屋選手が制すると、祝福の拍手が自然と沸き起こりました。

Race 3で優勝し、予選1位の8ポイントを合わせて33ポイントを獲得した室屋選手は、宮下公園に集まったファンの前で「昨年AIR RACE Xを渋谷でスタートして、今年もチャンピオンシップを戦ってきた最後に、ここでファンの皆さんと一緒に勝利の瞬間を味わえるということは嬉しい」と、喜びをともに分かち合えた感謝の言葉を口にしました。

2位はオーストラリアのホール選手で、予選2位の5ポイントを合わせて23ポイント、3位に南アフリカのデイビッドソン選手が入り、予選3位の3ポイントを合わせて18ポイントを獲得。予選に続いて、シリーズランキングの上位を占める3名の選手がランキング順に並ぶ結果となりました。

全3戦を終え、初のシリーズチャンピオンとなったのは、92ポイントを獲得した日本の室屋義秀選手。2位に71ポイントのホール選手、3位は53ポイントのデビッドソン選手が続きます。室屋選手は、初開催となった2023年の渋谷デジタルラウンドに続き、2年連続の栄冠に輝きました。

室屋義秀とエマ・マクドナルドの初対面&トークセッション

©︎Hiroki Terabayashi/AIR RACE X

表彰式の終了後、宮下公園4階・芝生広場の特設ステージでは、室屋選手とオーストラリアから来日したAIR RACE X初の女性パイロットで期待のルーキー、エマ・マクドナルド選手が登壇し、2人のトークセッションが行われました。

室屋選手とマクドナルド選手は、Race 3の裏話やシーズンの戦い方、パイロンが見えないAIR RACE X独特の飛び方などについて語り、集まったファンは初めて聞く話に興味津々。特にマクドナルド選手が師匠であるホール選手のもと、どのようにしてエアレースに対応していったかのエピソードには、同じく次世代のレースパイロットを育成中の室屋選手も興味深げに耳を傾けていました。

レースディレクターが来年シーズンの展望を語る

2024年シーズンは幕を下ろしましたが、レースディレクターのデズモンド・バリーからは、2025年も引き続き、複数戦開催する方針であることが語られました。また、パイロットたちが1か所に集まり、実際のパイロンで構成されたレーストラックを飛ぶ「リアルラウンド」の開催も目指すという展望も語られ、さらに広がりを見せつつあるAIR RACE Xの今後に期待が膨らみます。